文献の整理方法
- 概要: 文献整理の仕方
- まずは LibreOffice Base や Excel を使用
- EndNote や Mac contact など
- 自作も検討
- csv を本体とすれば良さそう: 現在は Steward Database を使用
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概要: 文献整理の仕方
読んだ文献だけでなく、他人のゼミ発表、ミーティングの記録などを細かくメモすることで、研究の効率は大いに上がる。
以下のような特徴を備えたソフトが便利で、ファイルメーカーを長い間使ってきた。
- 読んだ日時、タイトル、キーワード、メモなどのフィールドを自由に作れて、大量のレコードを保存できる。
- 各レコードはカード型で、一つの GUI からレコードを作成・変更できる。
- フィールドごとに、レコードを対象に検索できる。
- Dropbox にファイル and/or フォルダを置いて、複数のコンピューターで共有できる。この際、ローカルにもダウンロードできることが重要。クラウド型はネット環境に完全に依存することになるのでダメ。
- 特殊なソフトや重いソフトをインストールすることなしに、基本機能だけを使って軽く動かせる。
2020 年末の Big Sur へのアップデート を機に、Mac 用 FileMaker を使わなくなった。所詮は個人のメモ用のデータベースなので、基本的に FileMaker はオーバースペックだったことと、価格上昇に耐えられなくなったことが原因である。
代替ソフトについては、リストや使い方などを ファイルメーカーとその代替品 のページにまとめている。本ページでは、代替ソフトのページと重複する部分もできてしまうが、代替品を探し当てるに至った過程や、その他実践的なことを中心にまとめる。
検討の過程が時系列になっているので、結論だけが必要な場合は直接 csv を本体とすれば良さそう へどうぞ。
まずは LibreOffice Base や Excel を使用
ファイルメーカーからデータを Excel で書き出し、それを LibreOffice の Base に取り込んでしばらく使っていた。
Base は重くて使わなくなり、Excel のフィルタ機能を使ったり、セルを拡大表示したりしつつ、しばらく Excel でごまかす。しかし、これも重いし、使い勝手が悪い。どうしても、カード型のデータベースが使いたかった。
Office 365 の Excel for Mac で、「フォーム」を使って試してみたが、これも少し違うようだ。まず、環境設定 Preferences の View から開発者タブ Developer tab を表示させるとフォームが作れる。いつか使うこともあるだろうが、今回はパス。
EndNote や Mac contact など
論文を書く際に参考文献を効率的に管理したいなら、Mendeley など無料の選択肢もあるが、EndNote がベストである。EndNote を購入するなら、Amazon での並行輸入品の購入がもっとも安いオプションであるので、一応 link を貼っておく。
EndNote のメモ欄を活用して、文献を整理していくことも考えた。pdf は別に管理しているので、リンク機能は不要。この案は悪くなかった。気軽にメモに使いにくいという点を除けば、将来的にはありな選択かもしれない。
自由にフィールドを追加できるのか、またインポート、エクスポートがどうなっているのかは調べておきたい。
Mac のアドレスブックすら少し考えたが、これはフィールドごとの検索ができないのでダメだった。
自作を検討
要はメモの内容をフィールドごとに テキストファイル か MySQL などのデータベースに保存し、それを GUI から作成・変更・検索できればよい。意外と簡単に自作できそうに思えたのだが、これも難しかった。
まず、GUI を html で作ることを考えてみた。php でテキストファイル、MySQL のいずれにも出力可能だが、php は基本的にサーバーで動くものなので、html をサーバーにアップロードしないといけない。もしくは、ローカルにサーバー環境を構築する必要がある。これは、クラウドに頼らずに簡便に使えるデータベースという前提に反するので、php は諦めた。
html から php でなく、シェルスクリプト を使うというのも考えたが、どうもこれもローカルでは動かせない。そもそも、ブラウザからローカルで他のものを動かすというのが難しいようだ。
パスワードをつけて全部ネットにあげて、Google カスタム検索 と併用? フィールドごとの検索ができないのが難点。
html が使えないとすると、GUI アプリ開発みたいになってしまいそうだった。Mac なら Swift という言語がいいらしいが、そこから勉強するのはちょっと時間がかかる。
Python と Tkinter という GUI プラグインが良さそうな雰囲気。これで入力内容をテキストファイルとして保存したり、それらを読み込んでカード型データベースっぽく見たりということができそうな気がする。もう少し詳しくなったが、これで検討してみるか。
csv を本体とすれば良さそう: 現在は Steward Database を使用
Steward Database という Mac のアプリを見つけて、考えが固まってきた。
あとになってから考えてみると当然なのだが、アプリ依存的な発想を転換する必要があった。つまり、
csv ファイルの構造などについては、csv ファイルについて のページを参照のこと。
テキストエディタで開いてみると、以下のようなことがわかった。
問題は 3 番。これも「csv ファイルについて」のページに詳細があるが、
- 1 レコードについて 1 行が使われている。
- , を含む文章は、ダブルクオーテーションに囲まれているため、間違った区切りにならない。おそらくフィールドに , を入れた時点で FileMaker が自動的に挿入しており、これが維持されている。
- 日付は 2018-04-27 のように保存されているが、これは csv を Excel で開いたときに日付と認識され、4/27/18 などのように表示されてしまう。余計なお世話である。さらに、このまま保存すると日付も 4/27/18 のように置き換わる。
- タイプミスか何かで \ が含まれてる行があり、ここで Steward Database へのインポートが止まってしまった。Unexpected delimiter. Expected ',' (0x2C), but got 'J' (0x4A) というエラー。
Steward database を使いつつ、csv を良い形にしていく。
- インポートは成功。UI も悪くない。
- フィールドごとに検索できる Advanced search、カード表示とテーブル表示、テーブル表示時のソートなど、使いたい基本機能は全て入っている。
- 文字のサイズ指定ができない。
- タブで次のフィールドに移れない。
- データベースの場所が奥深い。これが自由に変更できれば、Dropbox などに置いて複数のコンピューターで共有できるのだが。
- csv に書き出し、これをテキストエディタで開いても、改行は維持されている。たぶん、FileMaker からの書き出し時に改行がなくなってしまったが、csv なら保持できるのではないか。
複数のコンピューターで共有するために、現在は以下のように管理している。
- csv ファイルは、日付とレコード数をファイル名につけて、Dropbox に置いておく。
- 複数のコンピューターに Steward Database を入れておく。普段はメインの Mac で編集。ラップトップでも編集したいときは、csv に書き出して開き直す。インポート、エクスポートが簡単なので、この方式でいけそう。
- 各フィールドのタイトルは移せないので、仕方なく New Field 1 などのままにしている。
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