文献の整理方法

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このページの最終更新日: 2023/06/28

  1. 概要: 文献整理の仕方
  2. まずは LibreOffice Base や Excel を使用
  3. EndNote や Mac contact など
  4. 自作も検討
  5. csv を本体とすれば良さそう: 現在は Steward Database を使用

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概要: 文献整理の仕方

読んだ文献だけでなく、他人のゼミ発表、ミーティングの記録などを細かくメモすることで、研究の効率は大いに上がる。

以下のような特徴を備えたソフトが便利で、ファイルメーカーを長い間使ってきた。

  • 読んだ日時、タイトル、キーワード、メモなどのフィールドを自由に作れて、大量のレコードを保存できる。
  • 各レコードはカード型で、一つの GUI からレコードを作成・変更できる。
  • フィールドごとに、レコードを対象に検索できる。
  • Dropbox にファイル and/or フォルダを置いて、複数のコンピューターで共有できる。この際、ローカルにもダウンロードできることが重要。クラウド型はネット環境に完全に依存することになるのでダメ。
  • 特殊なソフトや重いソフトをインストールすることなしに、基本機能だけを使って軽く動かせる。

2020 年末の Big Sur へのアップデート を機に、Mac 用 FileMaker を使わなくなった。所詮は個人のメモ用のデータベースなので、基本的に FileMaker はオーバースペックだったことと、価格上昇に耐えられなくなったことが原因である。

代替ソフトについては、リストや使い方などを ファイルメーカーとその代替品 のページにまとめている。本ページでは、代替ソフトのページと重複する部分もできてしまうが、代替品を探し当てるに至った過程や、その他実践的なことを中心にまとめる。

検討の過程が時系列になっているので、結論だけが必要な場合は直接 csv を本体とすれば良さそう へどうぞ。

まずは LibreOffice Base や Excel を使用

ファイルメーカーからデータを Excel で書き出し、それを LibreOffice の Base に取り込んでしばらく使っていた。

Base は重くて使わなくなり、Excel のフィルタ機能を使ったり、セルを拡大表示したりしつつ、しばらく Excel でごまかす。しかし、これも重いし、使い勝手が悪い。どうしても、カード型のデータベースが使いたかった。

Office 365 の Excel for Mac で、「フォーム」を使って試してみたが、これも少し違うようだ。まず、環境設定 Preferences の View から開発者タブ Developer tab を表示させるとフォームが作れる。いつか使うこともあるだろうが、今回はパス。

EndNote や Mac contact など

論文を書く際に参考文献を効率的に管理したいなら、Mendeley など無料の選択肢もあるが、EndNote がベストである。EndNote を購入するなら、Amazon での並行輸入品の購入がもっとも安いオプションであるので、一応 link を貼っておく。

正規品

EndNote のメモ欄を活用して、文献を整理していくことも考えた。pdf は別に管理しているので、リンク機能は不要。この案は悪くなかった。気軽にメモに使いにくいという点を除けば、将来的にはありな選択かもしれない。

自由にフィールドを追加できるのか、またインポート、エクスポートがどうなっているのかは調べておきたい。

Mac のアドレスブックすら少し考えたが、これはフィールドごとの検索ができないのでダメだった。

自作を検討

要はメモの内容をフィールドごとに テキストファイルMySQL などのデータベースに保存し、それを GUI から作成・変更・検索できればよい。意外と簡単に自作できそうに思えたのだが、これも難しかった。

まず、GUI を html で作ることを考えてみた。php でテキストファイル、MySQL のいずれにも出力可能だが、php は基本的にサーバーで動くものなので、html をサーバーにアップロードしないといけない。もしくは、ローカルにサーバー環境を構築する必要がある。これは、クラウドに頼らずに簡便に使えるデータベースという前提に反するので、php は諦めた。

html から php でなく、シェルスクリプト を使うというのも考えたが、どうもこれもローカルでは動かせない。そもそも、ブラウザからローカルで他のものを動かすというのが難しいようだ。

パスワードをつけて全部ネットにあげて、Google カスタム検索 と併用? フィールドごとの検索ができないのが難点。

html が使えないとすると、GUI アプリ開発みたいになってしまいそうだった。Mac なら Swift という言語がいいらしいが、そこから勉強するのはちょっと時間がかかる。

Python と Tkinter という GUI プラグインが良さそうな雰囲気。これで入力内容をテキストファイルとして保存したり、それらを読み込んでカード型データベースっぽく見たりということができそうな気がする。もう少し詳しくなったが、これで検討してみるか。

csv を本体とすれば良さそう: 現在は Steward Database を使用

Steward Database という Mac のアプリを見つけて、考えが固まってきた。

あとになってから考えてみると当然なのだが、アプリ依存的な発想を転換する必要があった。つまり、重要なのは csv ファイルに保存された情報である。これさえちゃんとしていれば、良いアプリの有無、自分のスキルなどに応じて Python なり MySQL なりで csv を編集していけばよい。

csv ファイルの構造などについては、csv ファイルについて のページを参照のこと。

テキストエディタで開いてみると、以下のようなことがわかった。

問題は 3 番。これも「csv ファイルについて」のページに詳細があるが、csv を ダブルクリックで開いてはいけない という原則がある。Excel が勝手に読み込み、場合によっては勝手に計算してしまうからである。

  1. 1 レコードについて 1 行が使われている。
  2. , を含む文章は、ダブルクオーテーションに囲まれているため、間違った区切りにならない。おそらくフィールドに , を入れた時点で FileMaker が自動的に挿入しており、これが維持されている。
  3. 日付は 2018-04-27 のように保存されているが、これは csv を Excel で開いたときに日付と認識され、4/27/18 などのように表示されてしまう。余計なお世話である。さらに、このまま保存すると日付も 4/27/18 のように置き換わる。
  4. タイプミスか何かで \ が含まれてる行があり、ここで Steward Database へのインポートが止まってしまった。Unexpected delimiter. Expected ',' (0x2C), but got 'J' (0x4A) というエラー。

Steward database を使いつつ、csv を良い形にしていく。

  • インポートは成功。UI も悪くない。
  • フィールドごとに検索できる Advanced search、カード表示とテーブル表示、テーブル表示時のソートなど、使いたい基本機能は全て入っている。
  • 文字のサイズ指定ができない。
  • タブで次のフィールドに移れない。
  • データベースの場所が奥深い。これが自由に変更できれば、Dropbox などに置いて複数のコンピューターで共有できるのだが。
  • csv に書き出し、これをテキストエディタで開いても、改行は維持されている。たぶん、FileMaker からの書き出し時に改行がなくなってしまったが、csv なら保持できるのではないか。

複数のコンピューターで共有するために、現在は以下のように管理している。

  • csv ファイルは、日付とレコード数をファイル名につけて、Dropbox に置いておく。
  • 複数のコンピューターに Steward Database を入れておく。普段はメインの Mac で編集。ラップトップでも編集したいときは、csv に書き出して開き直す。インポート、エクスポートが簡単なので、この方式でいけそう。
  • 各フィールドのタイトルは移せないので、仕方なく New Field 1 などのままにしている。

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References

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