英語論文: わかりやすい英文の書き方

english/paper/expression_clear
2018/10/15 更新

  1. 概要
  2. A and B of C の問題
  3. 文章の長さの問題
  4. 同じ単語の繰り返し
  5. 「違いがある」の問題
  6. 関連する単語の距離を離さない

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概要

文章には、「文法的に正しいか」という問題の他に、「読みやすく書かれているか」という問題がある。このページでは、英語の科学論文 の書き方を中心に、分かりやすい英語を書くためのポイントを解説する。


A and B of C の問題

重要なポイントの一つは、曖昧さの回避である。科学英語では、文章の構造のみから、意味が一意的に定まる のがよい文章である。「A のようにも B のようにも読めるが、意味からして A だろう」という構造の文章は望ましくない。以下、具体例を挙げつつ説明する。

  1. Prevalence and characteristics of individuals with undiagnosed HIV infection in France.
  2. Subsidiary chapters deal with the classification and distribution of the genus Xenopus... (Ref. 1)
  3. Development and validation of a geriatric depression screening scale: a preliminary report
  4. My major purpose in writing this book was to present the design and analysis of experiments from a researcher's point of view (Ref. 2)

文章 1 は論文の タイトル であるが、ここでは prevalence (広く行きわたること、普及) と characteristics の両方に of individuals with undiagnosed HIV infection がかかっていて、(Prevalence and characteristics) of individuals with undiagnosed HIV と読め、of... が and の前後の句にかかる 構造になっている。論文は、USA と UK の HIV 患者のうち、21% および 24% は自分の感染に気がついていないことから書き始められている。

文章 2-4 は、同じような構造をもつ例である。


一方で、下の文章はどうだろうか?

  1. A and (B of C) という文章が見つかり次第、ここに載せる。

この両者の違いは文脈から判断するしかなく、A and B of C という形は曖昧さを含んでいる。英文では (A and B) of C という解釈の方が普通である ため (3, 検索してもほとんどこっちのパターン)、5 のような文章を書いてしまったいたら、文章の構造を変えるべきである。


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文章の長さの問題

主語が長い文章は読みにくく、原則として避けるべきである。以下に読みにくい例を挙げてみる。偉い人ほどこういうことを気にしなくなるのか、それとも偉い人が書いたのに読みにくいから目立つのかわからないが、最初の 2 つはどちらも著名な科学者の文章である。

  1. What is currently known about the structure and function of areas known to be related to specialized activity, such as Broca's and Wernicke's speech areas and temporal lobe involvement in memory, are described and the methods that have been used to elicit the relationships between brain areas and functional behavior (e.g., study of persons with localized brain lesions) are rated.

 Norman 1979a. Scientific American 241, 180-199.

Abstract の約 3 分の 1 を 1 つの文章で使っており、動詞の are が登場するまで約 2 行かかる。さらに、2 つの文が and で繋がれた重文であり、後半の文でも関係代名詞により主語が長くなっていて、are は文末に出てくる。Norman は神経科学分野の著名なアメリカ人研究者である。

  1. That a change of ideas and the force of human will have made the world what it is now, though men did not foresee the results, and that no spontaneous change in the facts obliged us thus to adapt our thought is perhaps particularly difficult for the Anglo-Saxon nations to see, just because in this development they have, fortunately for them, lagged behind most of the European peoples. 

アカデミックライティング研究所 website より (4)

これも読んでいるだけで頭が痛くなるような文章であるが、ノーベル経済学賞受賞者の手によるものらしい。1 のサイトに解説がある。

  1. In modern times, particularly after the sequencing of human genome, to think of genetically encoded variations in protein sequence as a factor in specific disease is routine.

Berg et al. Biochemistry 2006.

主語が文章の大半を占める上、to 不定詞が主語になっており、かなり不格好な文章である気がするが、生化学の有名な教科書の一文である。


一文のみのパラグラフ

In NRT vacuolisation of the cytoplasm was visible in some neurons 2 days after ischemia (Fig. 1d).

Nielsen et al. 2008a. Exp Brain Res 190, 81-89.

この論文では、他にも 1 文だけのパラグラフが多数出てくる。


同じ単語の繰り返し

Wording change to avoid redundancy: remove 特定の単語 as in "...書き換えてくれた文章..." という形で、英語のできる査読者に指摘されたことがあった。


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References

  1. Nieuwkoop et al. 1956a. Normal table of Xenopus laevis (Daudin). A systematical and chronological survey of the development from the fertilized egg till the end of metamorphosis. A systematical and chronological survey of the development from the fertilized egg till the end of metamorphosis., 22.
  2. Amazon link: Keppel 1991a. Design And Analysis: A Researcher's Handbook.
  3. 翻訳 学習者に与う. Link.
  4. アカデミックライティング研究所. Link: Last access 2018/10/15.