原著論文 英文校正サービスの比較
- 概要: 英文校正サービスとは
- 日本でメジャーな会社
- エディテージ
- エナゴ
- 海外のサービス
- ProofreadingServices.com
- Cambridge Proofreading
- Express Proofreading
- Scribbr
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概要: 英文校正サービスとは
基本的に、英文校正サービスは文法や単語のミスをチェックしてもらうのには役に立つが、内容にまで踏み込んだ校正はない。
内容を理解した上での校正は、たぶん論文が数十報ある PI クラス以上でないと難しく、かつ論文の分野について詳しい必要がある。そのレベルの校正者がゴロゴロいるとは思えない。実際、私も英文校正はけっこう使っているが、そのレベルの校正は見たことがない。
この意味で、
もう一つ思うのは、英文校正のクオリティーには
結局のところ、あまり期待せずに安いところを選び、良い校正が入ったらラッキー程度に思っておく。論文の書き方、論理については自分で責任を持つ、という態度で臨むのがベスト。
日本でメジャーな会社
エディテージ editage
スタンダード、プレミアムおよび「トップジャーナル」という 3 つのクラスがあり、それぞれ 5 円、11 円および 30 円/単語 (雑誌サイト より)。
しかし、トップジャーナルでの「校正者のレベル」が「ジャーナルでの査読・編集経験を持つ、 ベテラン英文校正者が査読者の視点で 科学的観点から論文を総合評価」で、トップジャーナルでの査読・編集経験ではなさそうなところが微妙。
エナゴ enago
この会社の印象はあまり良くない。一回しか使ったことがないが、そのときに Student's t-test を student's と小文字に修正された。もちろん、この Student はペンネームの固有名詞であり、「学生」の student ではない (参考: 名詞のページ)。
一応書いておくと、t 検定 は統計学者ウィリアム・ゴセットが 1908 年に発表した検定であるが、彼はギネスビール社の社員であったためにこれが副業にあたり、本名の使用を許されなかった。そこで Student というペンネームで論文を発表したので、この検定は Student's t-test と呼ばれる。このような経緯を知らなくても、生物学の論文をよく読んでいれば、Student's t-test という字面は馴染み深いもののはずである。
当時は英文校閲を過信していたので、これを知らないレベルの校閲者が自分の論文を見ていたことに非常にショックを受けた。たぶん、英語ネイティブには違いないのだろうが、学部生レベルである。分野マッチを謳っているならあり得ないミスである。
さらに、メールでこれを指摘し、「アンタのところはこのレベルの人が校閲してるのか?」と質問したら、「ごめんね、大文字だったよ」ぐらいの軽い返事が返ってきた。私からしたら、恥入って全額払い戻しするぐらいの間違いに思えるのだが。このような経緯から、この会社に対する信頼は全く無い。
海外のサービス
私が使ったことのあるサービスを、値段の高い順に並べています。ネットでみつけた海外のサービスは、scam じゃないかというのが最大の心配ごとなので、できれば口コミを集めていきたいと思っています。コメント欄でご協力お願いします!
2020 年夏に使用。24 時間以内で $9.49/250 words つまり 1 単語 4 円弱。エディテージだと、スタンダードでも翌日納品にすると 12 円/word。5.5 円/word という最安値にすると、5 営業日もかかる。つまり、値段はこっちの方がかなり安い。内容も別に悪くなかった。 2023 年はじめに再び注文。このときの修正はひどかった。クレームのメールをしたら返金されたが、時間も無駄になったのでもう使うことはないだろう。 |
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2000 語で約 $50、つまり $6.25/250 words = 1 単語 2.5 円ぐらい。24 時間以内でもこの値段で、48 時間にすると 10% 引きぐらい。ProofreadingsServices よりも安い。 良いエディターに当たったことがあるので、印象はよい。エディターの名前をメモしておいて、次の注文でもコメント欄で指定することが可能。 |
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Basic proofreading, Proofreading & Editing, Heavy editing の 3 つのサービスがあり、それぞれに 48 時間、24 時間、12 時間、6 時間というオプションがある。 Basic は Our basic proofreading is best suited for larger documents that simply require a second pair of eyes to have one final look at their work prior to submission or publication と説明されており、どのぐらいちゃんと見てくれるのか、少々不安が残る。8 ユーロ/1000 語と非常に安いのだが。 Proofreading & Editing の場合 24 時間で 13 ユーロ/1000 語、Heavy なら 48 時間で 13ユーロ/1000 語と、これらもかなり安い。 問題は支払いで、クレジットカードが使えず、銀行振込か PayPal になる。2023 年 6 月現在でも同じ。 |
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レビューが良いので使ってみた。3 日、4500 words で $150 ほど。あまり安くはない。校正の内容も、まあ他のところと大差ない。会社よりも良いエディターに当たるかどうかという持論を裏付ける印象だった。 |
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Scribendi |
たくさん直してくれる Academic Editing と、簡単なチェックだけの Academic Proofreading がある。前者は Scribbr と同じくらいの値段。4800 語、3 日で $180 ほど。 |
他のところよりも安い。約 5,000 words, 96 時間で約 37 ユーロ。クレジットカードも使用可能。注文完了のメールが届かなかった気がする。 |
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