h-index および関連する指標について

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このページの最終更新日: 2024/07/13

  1. h-index
  2. g-index
  3. 自己引用と s-index

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h-index

n 回引用された論文が n 本あれば、h-index = n となる。Google Scholar Citation、Research Gate、Publons で表示されるので有名だろう (参考論文の一つ)。

わりと研究者の「科学者コミュニティへの貢献度」を正確に反映しているように思う。長くアカデミックで頑張ってきた人の方が、一発屋よりも高くなる傾向。

地道に論文を出していれば、自分の論文も自己引用されていくので、5 ぐらいまでは到達する。10 ぐらいで独立、20 なら立派、アメリカ一流大学医学系教授で 50 ぐらいが普通、という感じ。


> 物理学分野では、h-index はもはや研究者の評判と関連しないという論文 (5)。

  • 共著者の数が多くなり過ぎているため、という論調。
  • 論文のクレジットを共著者で分ける fractional allocation of citations が、まだ実装されていないものの、良い指標となるのではという提言も含まれている。
  • 物理学分野のことは管理人はよくわからないが、下の図を見ると、共著者の増加が顕著。大規模研究が急速に発展しているのだろう。
  • 図はクリックで拡大できる。1999 年、2009 年、2019 年の h-index ランキング (横軸) と、共著者数の平均値 (縦軸)。それぞれの点が一人の科学者を示す。つまり、数千人の共著者をもつ科学者が h-index 上位に来る傾向が、1999 年には見られなかったが、2019 年には非常に顕著ということ。
物理学でのh-indexと共著者数

広島大学では、教授、准教授、助教の採用基準として g-index がそれぞれ 20, 10, 5 以上という規定があるようだ (6)。

g-index

このページ など。h-index はなかなかバランスのとれた指標だと思うが、多くの論文が平均的に引用されると高くなっていく傾向にある。これを補正したのが g-index である。定義は以下の通りだが、実例を見た方がわかりやすいだろう。

論文を被害引用数の多い順に並べたとき、トップ g 報の被引用数の合計が g2 になるような値。


たとえば g-index = 5 だったら、被引用数の多い方から 5 報の合計が 25 になるということである。以下のような業績の研究者ならば、h-index は 2 である。しかし g-index では、これでは論文 A の 30 回という回数がきちんと評価されていないと考える。トップ 5 報の合計は 37 回なので、この研究者の g-index を計算すると 5 になる。

  • 論文 A: 引用 30 回
  • 論文 B: 3 回
  • 論文 C: 2 回
  • 論文 D: 1 回
  • 論文 E: 1 回

g-index では、被引用数の多い論文で、少ないものをカバーすることができると言ってもいいだろう。

自己引用と s-index

> 自己引用の指標として s-index を提唱した論文 (3)。

  • アイディアは h-index とほぼ同じ。つまり n 回以上自己引用している論文が n 報ある場合に、s-index が n となる。
  • s-index が大きいほど、その著者は自己引用する傾向が高いということになる。

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References

  1. ページ分割に伴い削除
  2. ページ分割に伴い削除
  3. Flatt et al. 2017a. Improving the measurement of scientific success by reporting a self-citation index. Publications 5, 20.
  4. ページ分割に伴い削除
  5. Koltun & Hafner 2021a. The h-index is no longer an effective correlate of scientific reputation. PLoS ONE 16, e0253397.
  6. 続・旧帝大や研究所クラスの准教授になるにはどれくらい業績が必要? Link: Last access 2024/5/8.

Figures are cited from open-access articles distributed under the terms of the Creative Commons Attribution License, which permits unrestricted use, distribution, and reproduction in any medium, provided the original author and source are credited.

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