英文法 可算名詞と不可算名詞:
違い、実例など

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このページの最終更新日: 2024/09/30

  1. 概要: 可算名詞、不可算名詞とは
    • 複数の分類方法がある
    • 可算名詞の基本ルール
    • 不可算名詞の基本ルール
  2. 実例と詳細な解説

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概要: 可算名詞、不可算名詞とは

複数の分類方法がある

名詞のページ で述べたように、名詞を分類する方法は一つではない。理化学英語の冠詞の用法 (Amazon link) の分類がもっとも合理的だと思うので、このサイトでは以下の表の言葉を使うようにしたい (3)。

可算名詞
Countable noun

普通名詞
common noun

集合名詞
collective noun

不可算名詞
Uncountable noun

固有名詞
proper noun

質量名詞
mass noun

物質名詞
material noun

抽象名詞
abstract noun


比較のため ロイヤル英文法 (Amazon link) の分類もみてみよう。

名詞はまず固有名詞 (Tom, Japan など固有の名前) と普通名詞に分かれる。普通名詞はさらに可算名詞と不可算名詞に分類され、それぞれさらに具象と抽象がある。

固有名詞
proper noun

普通名詞

可算名詞

具象名詞: table など形があるもの
抽象名詞: difficulty など形のないもの

不可算名詞

具象名詞: butter など形はあるが数えられないもの
抽象名詞: peace など形がなく数えられないもの


形のない不可算名詞 (butter, soap など) は物質名詞とも呼ばれる。

やっかいなのは、可算・不可算の区別は絶対的なものではない ことである。つまり、

  • 不可算名詞なのに、場合によっては「種類」を表して 可算名詞扱い になることがある。「具体的には可算」と呼ばれることが多い。
  • 逆に、可算名詞なのに 無冠詞の単数形 をとって不可算名詞のように見えたりすることがある。

例えば study という単語では、1 が不可算名詞、2 が可算名詞の用法である (3)。

  1. Tom likes play better than study.
  2. He finished his studies at the University of Chicago.

これが、多くの人が名詞の種類を真剣に学ぶやる気をなくす要因の一つであると思われる。しかし、可算名詞/不加算名詞の区分は厳然として存在する (1)。文献 1 は、多くの場合を参照しながら、可算名詞と不可算名詞の使い分けを解説している良書である。


可算名詞の基本ルール

可算名詞 countable noun は book, stone, equation など数えられる名詞で、その扱いには次のような基本ルールがある (1)。

  1. 単数形単独では用いられず、不定冠詞 a がつく。または the, my などの決定詞がつく。 基本的に、可算名詞の単数形がそのまま使われていたら、おかしいと思う 習慣をつけよう。しかし、無冠詞単数形というのもあるので、これは絶対のルールではないことにも注意。
  2. 複数形になる。
  3. 1 つ、2 つと数えられる。数詞がつく。These, those がつく。
  4. many, a few で多少を表す。
  5. all, other, more, enough, these kinds of, large amounts of, some, any などの後ろで複数形をとる。

不可算名詞の基本ルール

一方、不可算名詞 uncountable noun (e.g. water, oil, soup) の性質は

  1. 無冠詞で単独に用いられる。
  2. 複数形を用いない。
  3. 1 つ、2 つと数えられない。
  4. all, other, more, enough, these kinds of, large amounts of, some, any などの後ろで単数形をとる。

などである。Some water, some relevance のように表現する。



実例と詳細な解説

文献 2 にわかりやすい表が載せてあったので、分類を使わせて頂く。単語は徐々に追加していく予定。元のページにはもっとたくさんの単語が載っている。

ただし、この表は 不可算名詞としての用法があること を示しており、可算名詞として使われないことを示しているわけではない。例えば fruit は「総体としての果物」を指すときは不可算名詞だが、個々の果実を意味するときは fruits のように可算名詞にもなる。


一般的な抽象名詞
mass noun

抽象名詞は、不可算名詞であり、かつ soap などと違って「形のないもの」である。様々な「概念」が抽象名詞に相当することが多い。

多くは「個別のものを示す際は可算名詞扱い」である。

例: advice, color, collaboration, energy, information, literature, news (→ ブログへ), relevance, longevity, status, success.

液体 water, blood, milk
固体 bread, butter
気体 air, smoke
穀物, 粒子 rice, corn,
言語 English, Japanese
学問

cheistry, mathematics, data, evolution, research.

遊戯 soccer, tennis,
集合体

不可算名詞のパターンの一つに、「個々に数えられるものでも、集合体として不可算名詞になる」という単語がある。

Furniture, fruit, equipment, news, personnel, fish.

  • Personnel は集合的に複数扱いになることがある。Five personnel were transferred. など。s がつかないが複数という紛らわしい用法なので注意。
天候 weather, fog,

論文を書くときに問題になる可算・不可算名詞

この項目では、英語の原著論文 を書くときに可算か不可算かでひっかかる単語をまとめた。

この問題を避ける方法の一つとして、違う表現に変えてしまうというスキルも身につけておきたい。例えば「コラボレーションは少ない」と言いたいとき、"there has been a limited number of collaborative research" という表現を思いついたとする。しかし、research は可算か不可算が微妙である。不可算名詞だとした場合、limited number と言っていいのかどうかも微妙。

こんなときは、はっきりと可算名詞にできる project という言葉を使い "there has been a limited number of collaborative projects" としてしまえば問題は生じない。

Attention

注意。可算名詞にもなるが、たとえば "attract attention from" は Google Scholar でヒットが約 6300 件、"attract attentions from" は約 120 件 (02/06/2016)。この場合は不可算名詞としての用法が一般的のようである。

Balance

抽象的な「釣り合い」のときは不可算、「釣り合いとなるもの」「秤」などのときは可算。

Collaboration

不可算名詞である質量名詞 mass noun としての意味は "The action of working with someone to produce something", 可算名詞としての意味は "Something produced in collaboration with someone" である (4)。"his recent opera was a collaboration with Lessing" が例として挙げられている。

したがって、we have many collaborations のように collaboration の数を数えることは不自然と思われ、実際に Google 検索でもあまりヒットしない。それよりは、容易に可算名詞になる study を使って we have many collaborative studies とする方が自然である。

Content

集合名詞としては不可算、個々の項目を意味するときは可算。

Literature

不可算名詞。"documented in the literature" は Google Scholar で 114,000 件のヒット、"documented in literature" は 17,000 件。the がつくのが自然なようである。

Magnification

不可算名詞のようである。"at higher magnification" の用例は、"at a higher magnification" よりも Google Scholar ではるかに多い。

Pain

部位などを特定せずに「一般的な痛み」として扱う場合は不可算名詞。

Potential

「具体的には可算」の mass noun。Google Scholar では "has a potential that" 602 件、"has a potential that" 1210 件、"has potentials that" 181 件 (2019/11)。可算名詞としての用法が一般的なようである。

Research

これも不可算名詞。名詞と動詞でアクセントの位置が異なる単語 でもある。


その他メモ

  • Syndrome は可算名詞だが、metabolic syndrome などは裸で使われることが多いように思う。どう理解すればいいのか?
  • new は ふか酸名詞

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References

  1. 友清 理士 (2004). 理化学英語の冠詞の用法.

冠詞 a や the の用法は、英語を書く際に常に頭を悩ませる問題の一つだろう。この本は名詞、とくに可算名詞と不加算名詞について詳しく解説し、名詞を理解することで正しく冠詞を使えるようになることを目指している。

可算名詞・不可算名詞が互いに転換すること、どのような場合に転換するか、どのようなときに無冠詞の使用が許されるかなど、細かい部分が突っ込んで書かれている。科学英語を高いレベルで勉強したい人向け。

このほか、様々な専門用語について可算名詞・不可算名詞の別と用法が載っている。DNA や RNA は単数なのか複数なのか, a covalent bond と a metalic bond の観点の違いなど、普通の辞書には載っていない用語についても解説がある。


  1. 桜の英語教室 英語の名詞の基本: 不可算名詞. Link.
  2. ルミナス英和辞典. Link.
  3. Oxford online dictionary.

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