R: lm 関数による重回帰分析

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このページの最終更新日: 2024/09/30

  1. R による回帰分析
  2. R による線形重回帰: 基本的な方法
  3. R による線形重回帰: 交互作用がある場合

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R による回帰分析

R では、回帰に以下のような基本関数が用意されている。このページでは、lm 関数を用いた回帰の方法、とくに説明変数が複数ある重回帰分析について説明する。

lsfit

最小二乗法による回帰

線形回帰の手法のうち、回帰直線とデータの差 (誤差) を 二乗して足し合わせた合計が最小になる ような回帰直線を引く方法を最小二乗法という。最小二乗法は、関数を用いた近似には基本的に適用できる方法である。

lm

線形モデルによる回帰

glm

一般線形モデルによる回帰

nls

Nonlinear least squares の略。関数を定義して非線形の回帰を行う場合に使う (参考ページ)。最小二乗法を使っている。


以下のような関連ページもあるので参照のこと。

R による線形重回帰: 基本的な方法

線形重回帰では、複数の変数 X を使って Y を予測する。やはり swiss にある出生率 Fertility を Y とし、これを 2 つの変数 Examination と Education がどの程度説明するかを調べてみる。

なお、Examination 変数の 47% が Education で有意に説明されるという結果が得られているため、この 2 つを変数として含めると、多重共線性 multicollinearity という問題が生じる。しかし、とりあえず手法を学ぶ目的で重回帰をやってよう。

単回帰と同様に lm 関数 を使う。

  • lm の結果をオブジェクトとして保存する。複数の x がある場合、lm の基本形は lm(y ~ x1 + x2) である。+ を使っていくらでも x を増やせる。
  • そのオブジェクトの詳細を summary 関数で表示する。

具体的なスクリプトは以下の通り。ただし、多くの場合は変数間の交互作用も確認したいので、ページ下の「交互作用がある場合」 のように + でなく * を使うべきだろう。

sfee = lm(swiss$Fertility ~ swiss$Education + swiss$Education)
summary(sfee)


結果は次のようになる。Examination, Education ともに有意であり、この回帰は出生率の 48% を説明する。回帰式は

出生率 = -0.5572 * Examination - 0.5395 * Education + 85.2533

である。なお、例えば切片が有意でなかった場合、回帰式には切片を含めないことになる。

また、重回帰分析においても与えられる決定係数 R2 は一つだけであり、これはモデリングの全体的なフィットの良さを示す値になる。どの変数がどれだけフィットしているかという情報は得られない。


Rによる線形重回帰分析

なお、上の書き方では swiss をいちいち指定しているが、これは面倒なので、以下のようにデータをまとめて指定することができる。こちらの方がよく使われるかもしれない。

sfee = lm(Fertility ~ Examination + Education, data = swiss)


R による線形重回帰: 交互作用がある場合

一方、Education と Examination の交互作用を見たい場合は、+ の代わりに * を用いる。同じデータで分析すると、このようになる。

  • 交互作用の P 値は 0.5277 なので、有意な交互作用はないと言える。
  • + を用いた場合に比べて、それぞれの要因の P 値は上がる。Education の P 値が 0.08 になってしまっている。
Rによる線形重回帰分析

これを ANOVA に入れると、以下のようなパラメーターを見ることができる。

Rによる線形重回帰分析

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References

  1. 71. 回帰分析と重回帰分析. Link: Last access 2020/05/28.

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