R を使った one-way ANOVA および post-hoc test

UB3/informatics/r/r_anova


  1. R を使った one-way ANOVA (パラメトリック)
  2. R を使った post-hoc test (パラメトリック)
  3. R を使った Kruskal-Wallis (ノンパラメトリック)
  4. R を使った post-hoc test (ノンパラメトリック)
    • Steel-Dwass test

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R を使った one-way ANOVA

このページでは、R を使った一元配置分散分析 one-way ANOVA の方法を解説する。少なくとも R version 3.5.1 から 4.0 までは使える方法である。ANOVA および post-hoc テストの原理については、以下のページを参照のこと。

R では、ANOVA に aov および anova 関数を用いる。まずあるオブジェクト (仮に D とする) に aov の結果を格納し、それをさらに anova で解析するという段階を踏む。D を別の関数 TukeyHSD などに入れると post-hoc テストを引き続き行うことができる。

ベクターを input にする ANOVA

データ形式は、数値とグループの 2 つのベクターを使うのが簡単である。つまり、数値のベクター (1, 1, 1, 2, 2, 2, 3, 3, 3) とグループのベクター (A, A, A, B, B, B, C, C, C) のような形式である。

test_group = c(rep("A", 3), rep("B", 3), rep("C", 3))
test_value = c(1, 2, 1, 7, 8, 6, 34, 64, 55)
D = aov(test_values ~ test_group) # aovで解析
anova(D) # Dをさらに anova で解析

最初の 2 行で、グループおよび数値のベクターを作っている。A, B, C の 3 つのグループがあり、A は 1, 2, 1 という数値、B と C にはそれぞれ 7, 8, 6 および 34, 64, 55 というデータである。したがって扱うデータは 9 つであり、平均値 は C > B > A の順に大きい。

数値を test_values というベクターに格納し、グループ分けを test_groups というベクターに格納している。なお、test_groups を作るとき A, B, C は文字列なので、" " で囲む必要がある。

これを aov で解析し、結果を D という変数に保存する。test_values ~ test_group の部分は、最初が数値のベクター、次がグループのベクターという順にする。

下のスクリーンショットのように、D という変数を使わずに、直接 aov を anova に入れても OK。

Rを使った一元配置分散分析

結果として表示されるのは、自由度 Df、偏差平方和、平均平方、F および P 値であり、P 値が有意水準以下であるかどうかを判断する。

統計表現のページ にあるように、F 値、P 値および自由度を論文に記載するとよい。


データフレームを input にする ANOVA

values と group が、df というデータフレームの列である場合には、以下の書き方で aov をすることができる。R の一般的な書き方である。それ以降は同じ。

D = aov(values ~ group, data = df)
anova(D)

R を使った post-hoc test

Tukey HSD test

Tukey HSD は R にもともと含まれているようで、単に aov の結果を TukeyHSD という関数に入れるだけでよい。以下の例では、まず aov を AResults という変数に格納している。

Rを使ったTukey HSD検定

なお、Tukey 法は各群の n が揃っているときのみ使えるが、Tukey-Kramer 法は n が同じでも違っていても使うことができる。R の TukeyHSD 関数は Tukey-Kramer なので、n は心配せずにこれを使えばよい。


Dunnett's test

Dunnett's test は、対照群とその他の群を比較する際に使われる post-hoc test である。まず、この関数が含まれているパッケージをインストールする必要がある。

2021 年 12 月の解析では、install.packages("multcomp") のみで大丈夫だった。囲み部分は古い情報なので、multcomp がインストールできれば飛ばして構わない。

2018 年 12 月の実行記録、R version 3.5.1, Mac OS 10.14.

このページ から multcomp というパッケージを .tar file としてダウンロードし、ダウンロードフォルダで R CMD INSTALL ”.tarファイル名" でインストール。さらに library(multicomp) で読み込もうとすると、package ‘mvtnorm’ required by ‘multcomp’ could not be found というエラーになった。mvtnorm というパッケージが必要なようだ。

そこで、ここ から mvnorm をダウンロード、同様の方法でインストールするが、何かが not found というエラーに。

別の方法として、このページ にあるように

> install.packages("multcomp", repos="http://cran.ism.ac.jp/")

として URL 指定すると、なぜか library(multicomp) もエラーが出ずに成功する。この際、次のようなメッセージが出る。

Loading required package: mvtnorm
Loading required package: survival
Loading required package: TH.data
Loading required package: MASS

multcomp_1.4-8, TH.data_1.0-9, MASS_7.3-50, survival_2.42-3, mvtnorm_1.0-8 がインストールされた模様。コンピューターによっては、

> install.packages("mvtnorm", repos="http://cran.ism.ac.jp/")

として mvtnorm パッケージを別にインストールしないと library(multcomp) が成功しなかった。


multicomp がインストールされたら、以下のように解析を実行。y は従属変数 (つまり数値)、x は独立変数 (つまりグループ) である。

summary(glht(aov(y ~ x), linfct=mcp(fx="Dunnett")))

Duncan test

ページの上に リンク がある「post-hoc test の選び方」のページで述べているように、Duncan test (Duncan's new multiple range test) は、第一種の過誤 (type I error) を適切にコントロールしていないので、有意差が出やすく、推奨されない。

しかし、方法を一応ここに示しておく。この問題点は、Duncan test の RDocumentation でも触れられている。

関数は duncan.test()、agricolae パッケージが入っていなければ、インストールする必要がある。Documentation にしたがって、sweetpotato というデータセットを使う。

sweetpotato は、おそらく agricolae パッケージに含まれるデータセットで、ウイルスの種類とスイートポテトの収量が含まれるシンプルなデータセットである。

Rのsweetpotatoデータセット

これに Duncan test を実行する場合の syntax は以下の通り。意外とややこしい。

library(agricolae)
data(sweetpotato)
model <- aov(yield ~ virus, data = sweetpotato)

df <- df.residual(model)
MSerror <- deviance(model)/df
out <- with(sweetpotato, duncan.test(yield, virus, df, MSerror, group=TRUE))
plot(out,horiz=TRUE,las=1)
print(out$groups)

実行すると、以下のように結果とプロットが出力される。有意差が論文のように a, b... で示されるのはちょっといい感じである。

Rのsweetpotatoデータセット, Duncan検定 Rのsweetpotatoデータセット, Duncan検定

R を使った Kruskal-Wallis テスト (ノンパラメトリック)

更新予定。

R を使った post-hoc test (ノンパラメトリック)

このページ を参考に実行した。いずれ別ページでまとめる。


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References

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