英文法: ハイフン、ダッシュの種類と使い方

english/grammar/hyphen_dash
2018/09/13 更新

  1. 概要
  2. ハイフンの使い方
  3. ダッシュの使い方

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概要

ハイフン hyphen、ダッシュ dash、マイナス記号 minus はどれも良く似ているが、長さが微妙に違っており、使い方は全く違う。長さは hyphen < dash である。

文字 html コード 用法

Hyphen -

&#45; または &#8208; 形容詞を繋ぐ、単位を示すなど

Non-breaking hyphen ‑

&#8209;

見た目はハイフンと同じだが、改行しない。

EN dash –

&mdash; または &#8211;

n と同じぐらいの長さの短い dash。10–20 など 範囲を示す 場合などに使う。

EM dash —

&ndash; または &#8212;

m と同じぐらいの長い dash。挿入句など。

マイナス記号


ハイフンの使い方

2 つの形容詞を繋ぐ役割

名詞の前に 2 つ形容詞がある場合に、その 2 つを繋いで 1 つの複合形容詞 compound adjective にする役割がある。

  • 例 1: man eating tiger (文献 1): このままだと、「トラを食べているヒト」なのか、「人食い虎」なのか区別することができない。man-eating tiger とすれば、mam-eating で虎を修飾する一つの形容詞ということになり、人食い虎を意味していることがわかる。
  • 例 2: two hundred year old houses (文献 1): two hundred year-old houses なら 100 年前に建てられた家が 2 つあることになる。two-hundred-year-old houses ならば、200 年前の家である。

ただし、このハイフンは 形容詞が名詞の後にくるときにはつかない ので注意が必要である (1)。The well-known singer (ハイフンあり) vs The singer is well known (ハイフンなし)。


単位を表すハイフン

アルファベットで示した分数や、単位の単語を用いるとき (1)。

たとえば、何らかの処置を 5 日間行った場合に、5-day treatment と書くことができる。この場合 day は単位であるため、たとえ 5 日間であっても 5 days とはならない。

一方、同様に 5 days treatment (ハイフンなし)と用例もあり、この場合は days となるようである。いまいち違いがわからないが、おそらくここでは days が 5 の付属物ではなく、5 days という「期間」に重点がおかれていて、5 days がセットになって treatment を修飾しているということになっているのだろうか。Google 検索結果 (12-27-2014)では

  • "5 days treatment" 95,000 hits (ただし 5 days' treatment というのも多い)
  • "5-day-treatment" 92,700 hits (ハイフンなしも含まれている)

であり、用例としては同程度であると思われる。



その他のハイフン

  1. 21 から 99 までのアルファベットで示した数字に入れる (1)。e.g. Thirty-nine.
  2. 改行の際に、単語を音節で区切って 1 つの単語であることを示す (1)。
  3. 大文字から始まる単語に接頭辞をつける (1)。e.g. anti-American, un-English.
  4. 単語に一つの文字を足す (1)。e.g. T-shirts, X-ray.
  5. 接頭辞 ex をつけるときに使う (1)。e.g. ex-wife, ex-boyfriend.
  6. self から始まる単語で、selfish, selfless 以外のもの (1)。e.g. self-respect, self-explanatory.


ダッシュの使い方

ダッシュには、長い m dash と短い n dash がある。n dash でもハイフンよりは少し長い。

m dash

文献 2 のサイトでは、以下の 4 つの用法が挙げられている。

  1. 付随情報など、文章中に挿入句・節を入れる場合。
  2. ある情報の後に、関連する情報を追加する場合。
  3. 意外性や期待感を持たせた情報を追加する場合。
  4. 余韻や感情を表現する。

「関連する情報」も「意外性や期待感を持たせた情報」も付随情報であり、2 と 3 は 1 に内包されるように思える。ここでは、原著論文や総説の文章を例にパターン分けする。現在の私の認識では、以下の 3 つのパターンがある。


捻った言葉で言ってみてからダッシュで普通の言葉に言い換える

レビューで多くみられるように思う。ダッシュの前後 = 中身 としつつ、関連する情報を与える。1 の例は、ダッシュの後に関係代名詞がきて、その前の語にかかる 形になっている。

  1. Renewal is typically achieved by the setting aside of a pristine lineage of genetic information — that is, the germ line — which is passed on by sexual reproduction (3). (生殖細胞に記録されている情報を次の世代に渡すことで、種のレベルで考えると若返りのような現象が起きるという文脈)
  2. Changes in body state cause automatic physiological reactions as well as mental experiences — feelings — such as hunger, thirst, pain or fear (4).

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普通の言葉で言ってみてからダッシュで関連情報を追加する

逆のパターン。ここでもダッシュの前後 = 中身 である。

  1. Here, we show that diatoms — photosynthetic protists that acquired their plastids through secondary symbiotic engulfment of a eukaryotic rhodophyte — possess an additional isoenzyme each of both GAPDH and TPI (5).

関連情報を追加する

ダッシュの前後は中身と同じではないが、関連する情報を与えている。なお、2, 3 の例でみるように、必ずしもダッシュで閉じなくても良い ようである。そのまま文章を終わらせている例も多くみつけることができる。

  1. However, the artificial neural network field has often implemented selection processes in networks that — unlike biological networks — lack any significant degree of initially pre-specified, selective connectivity (6).
  2. Energy usage depends strongly on action potential rate — an increase in activity of 1 action potential/cortical neuron/s will raise oxygen consumption by 145 mL/100 g grey matter/h.
  3. Most patients have a history of behavioral dysfunction — primarily social and learning difficulties (8).

n dash

n dash – は m dash よりも短いダッシュである。両者の使い分けは厳密でない が、前後にスペースを伴って m dash の代用として使われるほか、数字の範囲や 2 つのものの繋がりを示す用法がある (2)。後者の用法については、ハイフンを使うべきという考え方もあるようだ。

  • 1 年から 2 年: 1 – 2 years
  • 親子関係: parent – child relationship (2)

たとえば 2014 年から 2018 年と言いたい場合、2014 – 2018 となるのだろうが、この前に来る英単語としては何が適切だろうか?

Google のヒット件数は "in 2014 – 2018" の方が "during 2014 – 2018" よりもはるかに多い。at は「点のイメージ」なので、もちろん during よりもさらに少ない。


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References

  1. ダッシュとハイフンの違い. Link.
  2. 英語の句読点 - ダッシュ. Link
  3. Guarente and Kenyon 2000a. Genetic pathways that regulate ageing in model organisms. Nature 408, 255-262.
  4. Damasio and Carvalho 2013a. The nature of feeling: evolutionary and neurobiological origins. Nat Rev Neurosci 14, 143-152.
  5. Liaud et al. 2000a. Compartment-Specific Isoforms of TPI and GAPDH are Imported into Diatom Mitochondria as a Fusion Protein: Evidence in Favor of a Mitochondrial Origin of the Eukaryotic Glycolytic Pathway. Mol Biol Evol 17, 213-223.
  6. Innocenti and Price 2005a (Review). Exuberance in the development of cortical networks. Nat Rev Neurosci 6, 955-965.
  7. Attwell and Laughlin, 2001a (Review). An energy budget for signaling in the grey matter of the brain. J Cereb Blood Flow Metab 21, 1133-1145.
  8. Freedman 2003a (Review). Schizophrenia. N Engl J Med 349, 1738-1749.